地球温暖化の国際交渉をフォローしたいところです


by togura04

先の週末に地救フォーラムin高野山に出かけてきました

(初出 4月28日1時38分)

 f0203461_1751279.jpgほんとうに久しぶりですが、温暖化関連のイベントに参加してきました。

 それはメイク・ザ・ルールキャンぺーンが和歌山県内の団体と共催で、和歌山県の高野山大学で開催した「地救フォーラムin高野山」です。(すでにこのHPには2日目に採択された高野山アピールが掲載されていますね)
(メイク・ザ・ルールキャンペーンのHPでも報告が上がっています。)
 詳しい内容紹介はまた後日掲載したいものですが、特に国際交渉に関連した大事な部分についてだけ記述しておきます。

・政府からのポスト京都での日本の排出削減目標に関するパブリック・コメント募集に市民が反応するよう呼びかけていました。

地球温暖化対策の中期目標に対するパブリックコメント
提出先メールアドレス ondankakondankai@cas.go.jp

後日追記:
気候ネットワークさんが提出用のテンプレート?を作っています。
 【↓こちらご活用ください↓】パブコメの意見フォーム
http://www.kikonet.org/research/archive/mtt/input.html


 項目についての抜粋です。
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2.募集する御意見の内容
(1)我が国の温室効果ガスの中期目標(2020 年)は、どの程度の排出量とすべきか
・ 6つの選択肢から選ぶか、独自にふさわしいと考える排出量(■■年比●●%)を挙げてください。また、その理由も述べてください。

(2)その中期目標の実現に向けて、どのような政策を実施すべきか

(3)その他、2020 年頃に向けた我が国の地球温暖化対策に関する意見

3.意見提出の要領
意見書に氏名(法人・団体の場合は法人・団体名と担当者名)、住所、電話番号、電子メールアドレスを明記の上、意見提出期限までに電子メールにて提出してください。

4.意見募集期限
平成21年5月16日(土)(必着)
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 各地で先週開催された公聴会(「地球温暖化の中期目標に関する意見交換会」)では、ドブネズミ色のスーツを着たビジネスマンたちが、口々に、日本政府は6つのシナリオのうちで、①の4%増加シナリオを取るべきだ、そうでなければ産業界は潰れてしまうという後ろ向きな発言で市民の声を圧倒していた、ということです。

 これまでの懇談会はあくまで懇談会であり、国民の意見を参考に麻生首相が決める判断材料をまとめただけ、ということのようですが、このままでは、麻生首相が後ろ向きの決断をし、日本政府が足を引っ張るせいで、コペンハーゲンCOP15の交渉を崩壊させ、最も貴重な資源である、「時間」を空費させてしまうかもしれません。

 10年間対策が遅れれば、どうなるか?について書いた新聞記事がありました。抜粋しておきましょう。

温室効果ガス:排出削減、10年遅れたら…温暖化確率15ポイント上昇‐‐ 専門家指摘
毎日新聞 2009年3月30日 より

 ”IPCCは「2度以内」で収める確率を最も高めるには、20年の先進国の排出量を90年比で25~40%削減する必要があると分析。欧州連合(EU)は90年比30%の削減を掲げた。一方、米国は大幅削減の実施時期は先送りする立場だ。
 研究チームは、先進国の排出量について、(1)EUの主張を採択し20年に大幅削減が始まった場合(2)米国の主張が尊重され大幅削減が10年遅れ の30年になった場合‐‐で、2度上昇が起きる確率を計算した。その結果、(1)に比べて(2)の排出量は35%増えた。それに伴い気温上昇が2度以上になる確率は27%から42%に上昇した。”

 しかしこれは合意できた場合の合意幅についての試算ですが、COP15で合意出来なかった場合には次の年にも再び合意できないリスクというものが新たに湧き上がります。国際協調を採るための、国際社会という人工環境は、そのような先送りに最も脆弱なシステムであるということがありえます。

 去年起きたことは、たとえば世界食糧危機(ナショナル・ジオグラフィックの特集があります)は、国際社会の崩壊の危機に関わる問題だったでしょう。

 COP15をあと220日ほど先に控え、メイク・ザ・ルールキャンペーンは、その鼎の軽重を問われる期間に入りました。

 果たして日本政府は、そして私たち日本の市民は、温暖化対策に前向きなオバマ政権の誕生という文字通り最後の機会を生かすつもりがあるのでしょうか? いかがですか?

リンク:
気候ネットワーク・特設ページ
2020年の中期目標の検討

関連ブログ集
エコビレッジへの旅:中期目標の選択肢
サステイナブルなもの -Something Sustainable-:日本の中期目標に求められるもの
日刊温暖化新聞:日本の中期目標を考えるために~基本的な前提と考える視点
環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ:日本の温室効果ガス削減中間目標 これはもうどう考えたらよいのだろう???

朝日新聞社説09/4/25:温室ガス削減―中期目標の意味は重い
http://www.asahi.com/paper/editorial20090425.html?ref=any#Edit2



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 「2050年までに温室効果ガス排出を現状から60~80%削減する」。福田前政権が決めた行動計画は、そんな長期目標を掲げている。地球温暖化の防止に向けた日本の公約である。

 これを実現するためには、2020年の時点で、どれだけの排出削減をめざすべきか。この中期目標について、政府が六つの数値を選択肢として示した。広く国民の意見を聞き、6月までに麻生首相が一つに絞るという。

 提案された数値は、欧州なみに意欲的なものから、国際的には通用しそうにないものまで幅広い。

 排出削減にはコストがかかり、産業や暮らしへの影響が避けられない。経済への負担を考慮して、低めの削減目標を首相は選択するのではないか。これまでの政府での論議をみていると、そんな懸念を禁じえない。

 しかし世界は、化石燃料の使用をできるだけ控え、二酸化炭素(CO2)排出を抑える低炭素化の道を進もうとしている。まず低炭素時代のビジョンを描き、そこへ社会や産業を導くよう大胆な目標を掲げるべきだ。当面の負担を避けようと腰の引けた目標にするのでは、道は開けない。

 中期目標は、京都議定書に続く新たな枠組みをめぐる国際交渉での焦点になる。説得力のある将来ビジョンを示すことは、日本の主張を交渉に生かすためにも不可欠だろう。

 新たな枠組み交渉での課題は二つある。京都議定書を離脱した米国を参加させること。そして、成長著しい新興国にも、何らかの形で排出削減に取り組んでもらうことである。それを、年末に開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)までに実現させなければならない。

 米国については、脱温暖化に前向きなオバマ政権が誕生し、交渉の場に戻ってきた。歓迎すべき動きだ。今後は、いち早く中期目標を打ち出している欧州と、世界最大級の排出国である米国が議論を引っ張り、交渉のスピードが上がる可能性がある。

 まず先進国が大胆な中期目標を掲げないと、中国やインドなどの新興国に応分の削減を約束するよう説得できない。中国は米国とともに最大級の排出国だ。インドの排出量も、日本と肩を並べている。この両国に削減を求めないと効果はあがらない。両国の削減義務が実現しないと、米国も枠組みへの参加を渋るかもしれない。

 日本の中期目標は交渉の成否にとってきわめて重い意味をもっていることを、改めて思い起こしたい。
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by togura04 | 2009-05-14 10:42 | 国内方針