地球温暖化の国際交渉をフォローしたいところです


by togura04

以下の、中期目標に関するコメントを送りました

(初出09/5/16 16:37)

 気候ネットワークさんのHPのテンプレートにカットペーストする形で送ったものです。

(1)⑦●

 2005 年比-30%、1990 年比-25%以上の削減を求める。
 少なくとも⑥、実際には⑥よりも踏み込んだ削減対策が必要である。

 子どもたちに地球温暖化の被害のツケを残さないためには、科学の警告に耳を傾け、日本も大幅削減の道をたどる必要がある。

 一部の科学者および一部の途上国から、安定な気候のためには1.5℃安定化気温目標と350ppm大気中濃度目標が必要であると提案されていることを重く受け止めるべきである。
 すなわち、いわゆる「低炭素社会」を実現することでは不十分である。これまでの増加傾向をオーバーシュートさせて現在の387ppmから過去の350ppm大気中濃度に戻すためには、可及的速やかに「カーボンニュートラル国家」とそれを超えた「カーボンマイナス国家」を目指す削減対策を進める必要がある。

(2)その中期目標の実現に向けて、どのような政策を実施すべきか

項目
 気候の危機のみを見て敬して遠ざけるのではなく、日本政府は気候、エネルギー、経済のトリプル・クランチ(3重の危機)という概念を受け入れて、3重の危機への対応を取るとの政治決断を行うことが大事である。
 まずは2008年がピークオイルの年であったと宣言し「ピークオイル危機は深刻な課題であるため、今後##年間で脱石油社会への転換を達成する」と宣言すること、そしてこのピークオイルの概念を普及させる啓発教育を進めるべきである。
 目前の危機対応として脱石油社会への転換を図り、なおかつ温暖化を悪化させる悪影響のある対策を阻止すれば、結果的に温暖化対策が実施されることになる。

理由:
 2005年発行の米国エネルギー省のハーシュレポートによれば、ピークオイル時の需給ギャップを埋めるのに必要な対策規模は、対策を開始してから20年間程度、膨大な規模であらゆる代替案へ投資することによってのみ可能となる。
 国際エネルギー機関IEAのWEO2008のデータによると、石油開発にも従来の何倍もの割高な投資を膨大にしなければ、2015年頃の時期のBauシナリオすら維持できない。つまり安い石油時代は(仮に2008年に終わったものと宣言せずとも、)遅くとも2015年頃に終わっている。ただちに死に物狂いのエネルギー対策を始めなければハーシュレポートが求める対策には間に合わない。

 この2015年とは2020年よりも数年前であるから、安価な石油価格を想定した懇談会の6つのシナリオ評価は全て、不適切な前提条件で行われた計算であり、無効である。

 昨年夏欧米では主流になったピークオイル論の警告で言われたような、1バレル200-300ドルといった高い原油価格や極端なボラティリティの下では、従来型の石油消費の傾向を続ければ貿易赤字を避けることが不可能となり、輸出依存型のGDP成長はありえなくなる。
 安い石油がなくなることで、産業界は壊滅的な影響を受けることが想定されるからには、脱石油、脱化石燃料のシステムに転換すること、それ以外に経済を生き返らせる道もない。

 あらゆる需要と社会の仕組みを、従来のグローバル化とは逆向きの、「再ローカル化」させることを日本版の「グリーン・ニューディール」として始めるべきである。

(3)その他、2020 年頃に向けた我が国の地球温暖化対策に関する意見

・日本は社会主義国ではないので、日本経団連が主張している、鉄鋼生産量1億2000万トン死守などという計画経済的な主張は、目的と手段を取り違えた浅はかな考えであることを確認すべきである。

・環境を破壊してしまえば経済もなし。そして今回国際協調に失敗すれば、世界を破滅においやったという恐ろしい責任だけが後に残るだろう。国際協調できる環境、そのものが絶滅に瀕しているのであるから、先進国の一端として、日本はコペンハーゲンCOP15における国際交渉を前向きにリードしなければならない。

・ただちに急速に成長させうる代替策は自然エネルギーの推進及び需要削減による「ネガワット」だけと考えられる。従ってこれらで賄える程度にまでエネルギーを減らしても成立するように社会および経済の構造を変えることを目指す必要がある。

・高速増殖炉路線の開発で対応することは不可能である。2050年の商用化からさらに60年間掛ける時間的余裕は、前述のピークオイルの下ではありえないから。
 実質的には破たんしている核燃料サイクル政策への固執は、「不都合な真実」であるピークオイルに目を向けさせなかった原因ともいえ、この政策を破棄するべきである。
 実際には1ワットも新たなエネルギーを生み出さない既存原発でのプルサーマル化には意味はなく軋轢を生むだけなので中止すべきである。
 そもそも反対運動により新規建設が止まっている在来型の原発も、急激な代替策の普及が必要な現状では解決策とはなりえない。

・温暖化を悪化する対策をとらないこと。熱帯林を破壊してのパームオイルプランテーションによりバイオ燃料開発を進めることは温暖化を加速すると評価されている。あるいはCCSなどは単にCO2を地底に埋め捨てる政策であるが、膨大なエネルギーも必要とするため化石燃料の消費削減には繋がらず、ますます高騰する化石燃料価格の下では単に実行できない絵に描いた餅である。

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コラムニストセイジさんのブログ、経済ニュースゼミにTBを送らせて頂きました。
自滅への道
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/50850814.html
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by togura04 | 2009-05-24 16:29 | 国内方針