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地球温暖化の国際交渉をフォローしたいところです


by togura04

カーボン・ニュートラル国クラブ

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BBC:Tuvalu vows to go carbon neutral ツバル、カーボン・ニュートラル(炭素中立)を誓う
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8158604.stm
という記事がありました。

 ツバルは2020年までに太陽や風力などの再生可能エネルギーのみを使う国になる、とツバルの公益事業(エネルギー?)大臣が誓ったそうです。

 UNEPの広報官Nick NuttallはAFPにこう語った。「ある意味で、これらの国々は、気候変動と戦おうとするのなら動かなければならない方向、中規模国、大経済国が歩むべき道を舗装しているのだ」と。

 一緒に出ていた、UNEP出典の表によると、これまでにカーボン・ニュートラル国になると誓った国は、

コスタリカ
エチオピア
アイスランド
モルディブ
モナコ
ニュージーランド
ニウエ
ノルウェー
パキスタン
ポルトガル

の計11カ国とのことです。

コメント:
 表題のような「カーボン・ニュートラル国」クラブが現在形成されつつあるのだと思います。

 ノルウェーのような産油国に始まり、ポルトガルのようなEU内の先進国が誓うことは重要ですし、太平洋の島国先進国ニュージーランドが提唱するのもありがたいことです。
 とともに、ツバルやニウエ、モルディブといったほんとうにCO2を出している世界の中での比率がわずかで、温暖化にはまるで寄与していない小島嶼国の国々が、温暖化の被害を受ける一方という関係であるのにも関わらず、カーボン・ニュートラルとするほどの緩和策に資源をつぎ込むということは、まさに彼らこそ、温暖化対策を先導するリーダーと呼ぶべきでしょう。

 小さな国がユニラテラルな行動をすることの意味は、もちろん対策を怠っている先進国に道義的な責任を呼び覚ますことの他にもう一つ、ピークオイルが引き起こす経済への悪影響を避けるという視点で意味があるといえるでしょう。
スウェーデンは2020年の脱石油社会をめざす
Nzクラーク首相、ピークを認めるby『南十字星通信』

ちなみに、
 カーボン・ニュートラルという言葉は、これまでは、バイオマス由来の燃料が、大気と植物生態系の間をCO2が循環するため原理的に地下から化石燃料を取り出さないですむことから温暖化を悪化させない、というバイオマス燃料の特性をカーボン・ニュートラルと表現していました。

 あるいは、カーボンオフセットを用いるプロジェクトによって会社単位で完全に事業に伴う排出をオフセットした場合にカーボンニュートラルを宣言するという場合に使われていました。

 しかしこれからは、国全体の枠の中で、自然の吸収源で完全にオフセットされる排出量に、国内の排出を限定したことを指す言葉になるのではないでしょうか。その先に見えるのは、「カーボン・マイナス」の世界でしょう。仮に大気中CO2濃度の389ppmという現状から350ppmへの道を辿るためには、すべての国が「カーボン・マイナス」となることを目指す必要があります。

リンク紹介
モルディブ 世界初のカーボンニュートラルな国になります
http://www.thinktheearth.net/jp/thinkdaily/news/news-detail-655.shtml
ノルウェーがカーボンニュートラルを目指す
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco07q2/532486/
by togura04 | 2009-07-20 22:21 | 途上国の動向