地球温暖化の国際交渉をフォローしたいところです


by togura04

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選挙=政変の日に

2009-08-31 21:24  初出

 日本の政変は海外から注目されています。温暖化との関連だけでも4件。
Japan's election brings new momentum
http://en.cop15.dk/news/view+news?newsid=1990

Swedish EU Presidency welcomes Japanese power shift
http://en.cop15.dk/news/view+news?newsid=2007

Looming Election Could Strengthen Japan's Climate Policy
http://www.nytimes.com/cwire/2009/08/28/28climatewire-looming-election-could-strengthen-japans-cli-98784.html

Japan's Yukio Hatoyama and Climate Change
http://www.worldchanging.com/archives/010421.html


 日本の国会議員たちが地球温暖化の問題をどれだけ理解しているでしょうね。
新たな最大勢力の民主党でいえば、現職が110名余、元職50名余、新人は140名ほどです。

ほぼ半分が新人ですから一からロビー活動をする羽目になるわけですねー。
 しょうがないので、国会議員のメールアドレス宛に、過去記事の紹介などをシコシコ送っていこう、と思っています。

過去ブログ『温暖化いろいろ』
http://sgw1.seesaa.net/
過去ブログ『ん!ピークオイル時代を語ろう』
http://sgw2.seesaa.net/
本ブログ『京都議定書の次のステップは何だろう』
http://sgw1.exblog.jp/

などの中から、印象に残るものを送って、政権の枠組みが定まる手持ち無沙汰のしばらくの時期、お勉強をしていただこうと思います。

9月2日追記:
以下のダイレクトメールを延べ233名の民主党衆院議員に送りました。エラーが戻ってきた24名の方にも送りたいなあ。後日参院議員の方にも送りまーす。
---
前略

 メールアドレスのわかる民主党衆議院議員のみなさまにお送りさせていただきます。

 外交日程としては、96日後、12月のコペンハーゲンCOP15会議を控えて、9月のG20と国連総会および国連事務総長主催の気候変動特別会合の場で、鳩山新首相の地球温暖化に対する方針が国際社会から評価されます。

 COP15が失敗に終わらないための抜本的な温暖化対策を日本政府が提案できるよう、民主党の国会議員の皆さまの中で議論が行われ、方向性を共有されることを期待しています。

 その議論のために「なぜ温暖化対策名目でのピークオイル対策が必要か」という観点の以下のQ&A資料をご一読いただければ幸いです。産業界内官僚=日本経団連さんの反対を押し切る一助になるものです。

・「ピークオイルQ&A」(pdf文書)
http://www.pwblog.com/user/SGW/files/POQ_A.pdf

 またピークオイル論に基づいた「グリーン・ニューディール政策」の分析も紹介いたします。
・国内外のグリーン・ニューディール政策の動向について
http://www.pwblog.com/user/SGW/files/GND.pdf

同趣旨の米国NGOからの政策提言も参照ください。
・ポストカーボン研究所による政策提言「真のニューディール」日本語版
http://www.pwblog.com/user/SGW/files/realnewdealJ.pdf
                          草々
---
以下、Q&Aのテキスト版をおいておきます。

More
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by togura04 | 2009-09-02 16:43 | 国内方針
 6/20土曜の晩に、NHKの対話風番組『日本の、これから』「15%削減、暮らしを変えられますか?」がありました。
 麻生首相が発表した日本の中期目標05年比15%削減を国民が受け止めて、果たして暮らしを変えられるのか、についての議論のようでいて、でもやはり各界代表の発言が目立った番組でした。

 (コメント:ほんとはねー、日本政府は気候変動枠組条約の西暦2000年目標(90年レベルでの安定化)も、京都議定書における目標(2010年頃に90年比6%削減)もないがしろにして温暖化対策を怠ってきたから、2005年の大幅増加の現状があるのですがねー。
 「どうして今すぐ、環境対策をやらなくちゃいけないのか?」という切実そうな女性の発言がありましたが、「これまで延々と先送りしてきたから」なんですよ。「さらに先送りしたら、ほんとうに血反吐を吐くような削減を後で始めても追いつかないから」なんですよ。
 その大幅増加の2005年を基準年とすることでこれからの削減を大幅に見せかけようという、転んでもタダでは起きないという根性も対外的な恥さらしです。)

 全部で4つの質問へのリアルタイムアンケート結果が意味があるかと思います。視聴者からの回答者の総数は出てきませんでしたが。

---
質問1:温暖化対策のためにあなたは暮らしを変えられますか。
1.変えられる。2.難しい。
会場  11人:10人 (中央の5人を挟んだ左側と右側のひな段でちょうど別れています、そういう配置にしたのでしょう)
視聴者 49%: 51%

質問2:あなたは環境に優しい商品を積極的に購入しますか?
1.積極的に購入したい 2.あまり購入したくない
会場 左の段から2名が2を選び、右の段から3名が1,2の両方を選びました。
視聴者 40%: 60%
 (コメント:これだけ否定的な反応が比較的多数を占めました。まあ健全な反応だといえます。消費意欲を刺激する今の政策ではなくて、みんなが環境に悪い商品は買わない消費者になってください、という趣旨のインセンティブとして設計すべきでしょう。)

質問3:(2020年までに発電容量20倍を達成するために、太陽光発電の買い取り価格を2倍にするために、一般消費者の負担金を数十から100円上乗せする新制度に関連して、)
 環境対策コストを皆で負担することに納得できますか?
1.納得できる 2.納得できない
会場 左の段から1名が2を選びました。右の段からは2名が1を、2名が1,2の両方を選びました。
視聴者 49%: 51%

 (コメント:買い取り制度の下では、実際に設置できる家庭が優遇されてしまう、という反応があったのには驚きました。パイオニアやアーリーアダプターを評価しない社会だということでしょうか。 それに、買える家庭が優遇されてしまうのは、むしろ家電商品のエコポイントやエコカー減税という形で補助金を税金から出している制度の方であって、太陽光の場合は支払われるのは地域社会に供給される恩恵の部分だけだというのに、大きい方の問題点には気がつかないのでしょうか?)

質問4:”低炭素革命”で日本社会は良くなると思いますか?
1.良くなると思う 2.良くならないと思う
会場 左の段からは全員が1番か? 右の段からは1名が1を、2名が1,2の両方を選びました。
視聴者 48%: 52%

司会:いずれもものすごく拮抗している。こんなことはこれまでこの番組で初めてだ。

 (コメント:なんであれ、革命が嫌いなんでしょうねー。「政府が何を温暖化対策としてやってくるのか、先が見えない」という不安を出演者が口にしていました。確かに政治的理念に基づいて、すべきこととすべきでないことの区分けが全然付いていないので不安感が大きいのでしょう。)

 そのほか、面白いと感じた発言を紹介しておきます。
---
金子勝 ”まず中小企業、この間苦しかったのは、100年に一度の金融危機が一つあったんですが、実はエネルギーの上昇がすごかった、原材料が。デフレな状態に原材料があがった。
 例えばすごく保守的な、国際エネルギー機関とかケンブリッジエネルギー研究所っていうところでさえ、2012年には石油が高騰すると、日本石油連盟でさえそういうことを言っている。つまり、石油が産油国とか新興国とかがどんどん消費しているので、これから景気が多少でもよくなると、たちまち石油の値段が高騰してくるんですね。
 そういうエネルギー効率?をいかに吸収?するか、という国の戦略がないと本当の意味で中小企業はもう一発喰らってしまう、という危機でもあると思います。”


斉藤環境大臣 ”今、2020年で一次エネルギーの20%は再生可能エネルギーで作ろう、というのが我々の方針。”
金子 ”家庭だけでそれは賄えない?”
斉藤 ”それは風力それから、庁舎、公の施設での太陽光も組み入れていかなければならない。”
金子 "そうすると、電力会社も、大量に買わないと無理ですよね。”
斉藤 ”はい。”

司会 ”負担の話、電力料金だけじゃないんですね。CO2を減らそうとしますと、低炭素社会を作ろうとしますと、どうしても石油とか、それから石炭とかのエネルギーの値段が上がります。そうすると、輸送とか製造のコストが上がって、ものの値段が高くなるんですね。従って可処分所得が43000円圧迫される。そして光熱費が高くなる、33000円高くなる。足し合わせますと大体年間7万6千円圧迫されるという試算が日本政府の試算で出ている。”
金子 ”経済産業省と環境省で違っているんです。”
斉藤 ”日本版グリーンニューディールの中で、これらの環境施策を遂行することによって、環境分野で140万人の雇用を280万人にする、2020年までです。それから経済規模、いま70兆円なんですが、これを120兆円にする。このような試算が、これは政府の試算として、経済産業省も認めた数字として、出ております。今、さきほど紹介された数字は、今回検討の中期目標検討委員会の中で、モデル、コンピュータモデル分析をしたものなんですけれど、ここは基本的に、今の産業構造が変わらないという前提の下での計算です。
 さきほどの雇用がこれだけ増えるというのは、この環境施策によって、これから産業構造が変わっていくということを考慮に入れた数字です。でこの差が出てくると思うんです。これも、可処分所得や光熱費で7万円増えると、言っておりますけれども、あのモデル分析をよーく勉強しますと、これから2020年までに経済成長で、100万円可処分所得が増える。その増える中で、経団連が推奨していた選択肢1ですね、その1の場合に比べて、7万円所得が減るということですから、モデル分析では、経済成長した中で、ちょっと減るというのが今回のモデル分析の結果なんです。今回そういう意味では、中の負担部分だけがあまりに強調されていると私には思えてなりません。”


司会 ”日本エネルギー経済研究所の試算では、2008年は減少(ほぼ2000年と同じレベル)、2009年は90年のレベル(11億トン以下)にまでぐっとCO2排出量が減る。(写真)
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(注:景気悪化の影響は大きいということですね。09年の11億トン以下の数字は2005年の13億トンのほぼ15%減となっています。つまり今年、2009年の実績で横ばいが続けば、2020年中期目標はただちに達成されることになります。如何に産業界のシェアが大きかったのか、が分かります。)
(そういえはど、昔は「今後の国内政策とポスト2012交渉について」でこんなことを書きました。
「国内対策がとられなければ、政治無策が続くわけですから、ピークオイル問題が2008~2012年の間に炸裂することで、パニック的に産業界が大規模な生産停止をすることにより結果的に京都議定書の目標が達成されることに期待するしかないでしょう。(もちろんその場合は過剰達成するでしょうが非常に面白くない予想です。)」)

金子勝 ”一つはなぜ今か、ということですが、さきほどの説明では、再生可能エネルギー価格が普及するとエネルギー価格が上がるとなっているんですけど、多分、新興国および産油国の消費動向を考えると、石油価格が相当上がる可能性を持っていると、そうすると実はもうカバーできないと。
 そういうときに、たとえば中小のトラック業者とか輸送業者といった人たちに、非常にハイブリッドカーとかそういったものを、たとえば環境税をかけたらその税金がそこへ行くような形にして、燃費コストを下げてやれば、誰もが倒れない形で、広く有利にCO2を減らせるというような、そういう工夫が一つ大事だと思います。
製鉄業の場合は排出量取引があると相当苦しくなっちゃうんですけれど、環境税とか、実はデンマークとかは環境税を重くする代わりに法人税を軽くしたり、ドイツは社会保障の負担を軽くする代わりに環境税を重くしたり、という形で負担のバランスを考えながら、時間をかけてCO2を削減する方向を追及すればいいと。
 いま日本で最大問題なのは、当面問題なのは石炭火力の発電なんですよ。これはそうとう大きいので、こういう部分をどうやって解決、まずは再生可能エネルギーに代えて、という順番をしっかせさせていくのが大事。”
司会 ”取り掛かるのは今?”
金子 ”今。景気がいくぶん回復した時、他の国がみんな再生可能エネルギーに行っているのにハイブリッドカーや電気自動車に行こうとしているのに、日本だけがエネルギーコストの高さを吸収しなくちゃならなくなっていく。”
---
 金子氏はそうとは明言しては言いませんでしたが、明らかにピークオイル論を念頭において語っています。
アラビア石油取締役の庄司氏はこの石油枯渇懸念の論点について司会に振られても答えませんでした。庄司氏はどう答えるべきだったでしょうかねえ。
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by togura04 | 2009-06-21 17:50 | 国内方針
 僕が送ったパブコメの背景として、日本の現状について触れておきましょう。

ピークオイル問題と温暖化対策の関係について
でも書いていますが、こちらはむしろピークオイル対策を温暖化名目で行うという逆の観点のものでした。

 今回は温暖化対策をピークオイル名目で行うことについて、です。

現状分析編
 気候の危機に対する政治的意思の形成ができていない。政治家にリーダーシップがないのは当然のこと、成長論者の官僚たち経産省&日本経団連が旧日本帝国陸軍参謀本部化している。
 彼らの防衛線が次々に突破されているのに事実を認めようとせず塹壕に立てこもる徹底抗戦の号令を掛けようとしている。(澤氏山口氏など。)これに対して「名誉ある」撤退を促す必要がある。

処方箋編
 2つの大量破壊兵器論、トリプルクランチ論を素直に提唱して、ピークオイル、エネルギー供給の制約問題を日本政府に突き付けること。長期でみれば誰も否定できないほど正しい論。
 (KISSとは、「単純さこそ力」keep it simple, stupid!)

 温暖化対策の観点からピークオイルは、外的な機会&脅威となります。いわゆるSWOT分析の4つに区分けしてみると、

日本にある長所=
 工業国としての人的資源のストック(-但し減少中)
 危機バネがよく効くこと(ほんとかな-今は違うかもしれません)

日本にとっての弱点=
 無責任、ノブレスオブリジェは今の官僚は持っていないのでしょう。
 臆病、結果が出てしまうまで待ってから、護送船団方式で再び追いつけば良い?。
 忘却、昨年の石油高騰ももう記憶の彼方。
 技術への盲信、なんでも技術的な対策はあるという考え方が蔓延している。=物理的、熱力学的な制約が分かっていない。

日本にとっての機会=
 石油はおろか、非在来の化石資源すらない(だろう)事。一次エネルギーの自給率はわずか4%
 資源確保のために隣国を侵略できるような軍備は(まだ)持っていないこと。←(持てと薦めているわけではありません。第二次大戦の敗北から教訓を汲むなら、石油のない国が資源獲得戦争に走ることも自殺行為という認識になるはずです。)
 成長の限界の論調は他国に比べてはるかに浸透していること。エネルギーが成長に不可欠との論理は石油ショックを経験した年輩者の心には刷り込まれている。
 昨年からの経済危機で「輸出立国」モデルが揺らいでいる事=輸入資源の高騰はMETIの頭の中では「死活問題」になった。
 これからアメリカ自動車産業の再編縮小の動きを(対岸の火事としてであれ)観る事になる事。トヨタがトップとなったが、方向転換を図らなければビッグ3の後に続くことになる。
 Bauの概念ではオバマ政権の動き(グリーン・ニューディール)をまともに説明出来ない?
官僚が理解不能であれば、運動の側がそれを説明出来ればそれが説得力となる。

外的な脅威=
 ピークオイルに伴う衝撃そのもの。
 危機バネが働きすぎて、温暖化対策よりも優先してピークオイル対策が進むことにより温暖化を悪化させること。

Prepare NOW! Peak Oil
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That's the way we can cut CO2 Emission NOW
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by togura04 | 2009-05-26 07:50 | ピークオイルと温暖化
ピークオイル問題について、

 終了したブログ『温暖化いろいろ』のピークオイルのカテゴリー記事
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/category_145.html

 終了したブログ『ん!-ピークオイル時代を語ろう-』
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/

Wiki:ピークオイル時代  (まとめのために作り始めています。)
http://sgw1.wiki.fc2.com/

ブログ:救命ボートをどう造ろう
http://blogs.yahoo.co.jp/togura04

mixiのコミュニティ:ピークオイル
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1322211

同・石油減耗時代
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3964422

後日記:
国連大学 Our World 2.0 石油
http://ourworld.unu.edu/jp/series/oil/
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by togura04 | 2009-05-24 08:28 | ピークオイルと温暖化
 過去3年間ほど、「ん!-ピークオイル時代を語ろう-」というブログを開いていました。また、「温暖化いろいろ」でもピークオイルと温暖化の相互連関についての紹介をしていました。その続きとなります。

●この二つの関係については、
ハインバーグ:ピークオイルと気候変動の運動に橋を掛けるの文章が一番良くまとまっていると思います。

 ”ピーク論者にとっては、すでに国際政治のアジェンダに乗っている気候変動問題から助けを得られれば得になるだろうことは明らかだ。
 では温暖化派にとっての利点は何だ-「モチベーション」だ。ピークオイル問題はより緊急な自己防衛上の懸念である。緊急にそして劇的に化石燃料への依存を下げる上で必要な、個人的/社会的な犠牲を行うためには、強い動機付けが必要だ。
 豊かな社会で持続可能性と倫理のみを人びとに求めるのは難しいが、燃料不足と高騰で困難に直面している人びとからは、幅広い教育とキャンペーンで支持を集めることができるだろう。
 両者をあわせれば、気候変動とピークオイルはほとんど水も漏らさぬ論理を構成できる。私たちは将来世代と生物圏のために化石燃料への依存を減らさなければならないが、たとえ費用が高くてそれは選びたくなくとも、化石燃料の内でもっとも重要なものが稀少になり高騰するため、自己満足(の無策)はまるでオプションとはならないのだ。”

 とはいえ、「ノド元を過ぎれば熱さを忘れる」状態で、昨年のバレル147ドル原油のことは多くの人にはもう記憶の彼方となっているようです。

 それはさておき。

●ASPOイタリアのウゴ・ヴァルディ氏による、化石燃料ピークと気候変動の相互連関に関する研究のレビュー解説がありました。
Fire or Ice? The role of peak fossil fuels in climate change scenarios
http://europe.theoildrum.com/node/5084

 これまでに1つの主張プラス7つの排出シナリオ研究があり、このところ増えているとのこと。

 以下がその結論部分です。
”これらの研究によると、ピークオイル(そして一般には化石燃料ピーク)は気候変動に大きく影響を及ぼし始めている。 一つには、京都議定書を陳腐化させるかもしれない。 なぜなら、京都議定書の目標を達成させるための政策は必要なくなるからである。 今日、経済にとって耐えられないような制約としばしばみなされている排出の制限は、近い未来には経済の縮小に伴って起こる化石燃料の供給減少の結果に過ぎなくなることもありうる。
 他方では、京都議定書の目標は温暖化に対抗するには不十分だったということが明らかとなるだろう。
 今回紹介した論者らは、研究結果を受けて行うべき政策提言に関しては意見の一致を見ていない。
一部の論者は、この化石燃料ピークは、大気中のCO2濃度を、多くの気候学者が危険と考えているレベルより下げるのに十分だと結論している。
 しかし、この結論は他の論者によっては共有されていない。彼らは、たとえ我々がCO2濃度を450-550ppmの範囲に留めることができても、なお温暖化の危機に直面するだろうと主張している。
 明らかにこれは、各シナリオの不確実性と大気中二酸化炭素濃度による気候感度の不確実性があるので、解決が難しい問題である。
さらに、気候モデルにまだ含まれておらず、現在考えられているよりも深刻な温暖化を起こす可能性のある現象がいくつかある。それはCO2の吸収源の飽和や、メタンハイドレートによる正のフィードバック現象、氷/アルベドフィードバックなどである。
 我々は、化石燃料の減耗が地球温暖化から我々を「救う」のに十分であるかどうかをいえるほど知っていはいないのだ。"

”私の意見では、これらの研究は、前方に重大な脅威が横たわっていることを示している。この脅威が減耗であれ温暖化なのであれ、出来る限り素早く化石燃料から脱却しなければならない。しかし、私たちにできることが十分なのかどうか、そして燃料の欠乏と温暖化の両方の被害をやり過ごせるかどうかは全く確かではない。火かそれとも氷か、なのではなく火と氷の両方なのだ。”

 本文の後のコメントのやりとりも有益かと思います。

 
●Report: The Interplay between Climate Change and Peak Oil
http://europe.theoildrum.com/node/5344#more
 もう一つ、こんな研究も現れました。

 ASPO-オランダの研究
http://www.peakoil.nl/wp-content/uploads/2009/05/april_2009_less_oil_more_co2_aspo_netherlands.pdf
 (オランダ語の源論文は、Dutch Ministry of Housing, Spatial Planning and the Environment(住宅、空間計画、環境省)の資金で行われた研究だとのことです。)

 この中では、ピークオイル後のシナリオとして、在来原油の減耗の3シナリオ×非在来石油開発スピードの2パターンの計6シナリオを考慮しました。
 結果として、石油生産のピークは共に2010年代の内に現れること、しかしその後の非在来石油の生産拡大に伴ってCO2排出が急増するため、石油関連のCO2排出量は2010年代のピーク以降もほとんど減少しないケースがありうることを示しています。
 つまりピークオイル対策としての非在来石油の開発と気候保護の政策とのバッティングが起こりそうなことを強調しています。

 不可避的な石油生産量の減少が温暖化を抑えるというWin-Winのシナリオばかりではないという警告として読むべきものでしょう。

 しかし、いずれにしても、2010年代に世界的な石油ピークが訪れるという現象を全く考慮に入れない未来予測というのは意味がないのです。
 さて、ポスト京都交渉での日本の公約となる中期目標の時期は2020年ですが、このピークオイルが2010年代にやってくることをまるで考慮しないでよいのでしょうか?いいわけないですよね。

 ASPO-オランダの研究論文の付録には、昨年1月のシェル社CEOから社員に向けたメッセージの全文を添付しています。(そこではやはり2015年頃のピークオイルを認めて社員に危機対応を求めているのですが、それと比べて日本政府の危機感のなさはもはや犯罪的です。)

To Leaders attending G8 Summit(2008-07-06)
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/14374.html
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by togura04 | 2009-05-09 22:24 | ピークオイルと温暖化

「京都議定書の次のステップは何だろう」JanJanBlog版
が急に終了してしまいました。

 ブログの過去記事は こちらへどうぞ。
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/

新たにここ、exciteブログ上で継続するに際して、中から、過去記事を少しばかり転載しておきます。

あけましておめでとうございます09/1/1


 さて、コペンハーゲンCOP15/CMP5を今年末に控え、アメリカのオバマ政権の示す温暖化対策など、動きがようやく出てきそうな年の始めです。

 今年の国際交渉の中で、軸となる概念としては、

1.350.orgが始めた350ppm安定化、というあらたな大気中CO2濃度目標が議論され組み込まれるか
 アル・ゴア、ポズナニ会場で350ppm目標を支持

2.昨年のピークオイル危機を踏まえた、脱石油の動きとの相互連関がどうなるか
 グリーン・ニューディールの出番だ!

3.適応策を作る上での「適応」気温安定化目標の概念がどうなるか
 適応策:2℃のラインを守れ、しかし4℃昇温に備えよ

 という3つの動向に注目していきたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします。

REDDについての議論は、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」で藤原氏がウォッチしていますね。
気候変動枠組み条約COP14と森林の将来(2009/1/24)
http://homepage2.nifty.com/fujiwara_studyroom/kokusai/fccccop14/fccccop14.htm

後日記:
 どうなんでしょう、日本はすでに交渉の一つの極としての政治的重要性を持っていない、と見切られているのではないだろうか。
 日本の官僚たちはほっと胸をなでおろして、新しいオバマ@アメリカについていくだけに違いない。アメリカになら、押し切られました、と言っても財界に同意されるから。
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by togura04 | 2009-01-01 17:56 | 枠組みの解説