地球温暖化の国際交渉をフォローしたいところです


by togura04
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 今年10月24日にはセカイ中で行動を起こそう、という呼びかけがなされています。

350.orgのトップページの呼びかけを翻訳しています。
http://www.350.org/invitation(今日の版はまた変わっていますねー。以前の呼びかけ文としてご了承ください。

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セカイのみんな!

 気候の危機を止めるために1日を使おうというムーブメントを広げるのを手伝って~という呼びかけなんだ。

 10月24日に僕たちは、この星中が一つになって、フェアでグローバルな気候条約を要求するんだ。最新の科学にマッチし、安全な領域に復帰するための国際的な計画を世界が求めている、のだと共通の要請行動で明らかにするんだ。

 このムーブメントは始まったばかりで、キミの助けが必要だ。

 計画はこうだ:僕たちはセカイ中のキミたちに、10月24日にコミュニティでのイベントを企画して、と呼びかけるのサ。
 何も決まりはない-自転車に乗ったり、ラリーやコンサート、ハイキング、お祭り、植樹、抗議、そのほか何でも想像してみて。地球の何千もの行動と繋がっていると考えてみて。世界が立ち上がるところを想像してみて。

 これをもし僕たちがやり遂げれば、10月24日に力強いメッセージを送ることになる、「科学と正義が求める気候問題の解決策を世界は求めている」というメッセージを。

 素早く衡平に気候の危機に取り組むことを妨げているのは、政治的意思の欠如だ、としばしば言われている。
だから、その政治的意思を産み出せるのは一つだけ、統一されたグローバルな行動であって、誰も私たちの代わりにその運動を始めようとはしていない。だからそれは世界中のフツーの人たち、つまりキミたちに掛かっているんだ。 

だから、キミのコミュニティでの10月24日のイベントを登録して、友人にボランティアを頼むんだ。キミの友人や地域の環境グループ、人権キャンペーングループ、教会やモスク、お寺のグループを。自転車乗りや地域の農家、若者たちも巻き込んでね。この星中で僕たちは自分でグループ化するのさ。

キミの助けがあれば、10月24日にはアメリカのグレートレーク湖からオーストラリアのグレートバリアリーフまで、この星の景勝地のどこででも、それにキミの日常の暮らしの現場、海岸で、公園で、野原で、公会堂ででも、イベントをできるだろう。

キミが参加するためのイイ瞬間があるなら、それはまさに今だ。今年がこんなに重大なのには2つの理由がある。

その1つ目は、気候変動の科学が日に日に暗いものになっていることだ。北極は予定より数十年も早く、オドロキの速度で溶けている。この星の全てが溶けているか燃えているか、上昇しているか干からびているみたいだ。
そして今、この危機を表す数字がある。350だ。

NASAのジェームス・ハンセンのチームは最近、もし”文明が発展したのと似たような惑星に住みつづけたい”と望むなら、私たちは大気中の(二酸化)炭素の濃度を、現在の387ppmから350ppm以下にまで削減する必要があるという一連の研究論文を発表した。

誰もこの数字を1年前には知らなかったが、今、この星の未来にとって最も重要な数字は「350」だろうこと、それはセカイを作り直すための北極星のような導きの星だということが明らかになっている。
もし僕たちが速やかに350に向かう方向にこの星の向きを変えられれば、まだ気候変動の最悪の被害を避けることができる。


 今年2009年が非常に重要な2つ目の理由とは、政府に影響を及ぼす機会がこれ以上ないほど増えるだろうことだ。
今年12月にはセカイの首脳たちはコペンハーゲンに集まり、二酸化炭素の排出を削減するための新しいグローバルな条約を形作るだろう。

もしこの会合が今開かれたなら、とんでもなく不適切な条約が作られるだろう。実際のところ、その条約は僕たちを決して350ppmには連れ戻してくれない未来、海面上昇は加速し、降雨パターンが変化し、砂漠が広がり始める未来を作ることだろう。

その未来では、初めは最も貧しい人々が、のちには私たち皆と私たちに続くすべての世代が、被害を受け劣化したたった一つのこの星に向かい合うことになる。

10月24日はこの危機的に重要な国連コペンハーゲン会合の6週間前だ。もし僕たちがみな自分の仕事をすれば、すべての国がこの問いを問われていることを知ることになる。「この計画は、この星を350への道へと引き戻してくれるだろうか?」と。

これはグローバルな運動の手助けがあって初めて動くだろう。そしてあらゆるところで動きは始まっている。カメルーンの農民も、中国の学生も、ワールドカップのスキー選手さえ、350の数字を広め始めている。教会は鐘を350回鳴らし、仏教の僧はヒマラヤの裾野で大きな350の人文字を描いた。350は、すべての言語と文化の壁を超えている。それは明確で、直接的で、金縛りから解放するもので、確かな科学に基づいた数字だ。

10月24日には、安全な気候と、作り出すべきセカイについての共通のシンボル、350の後ろに私たちは立って、その日の終りには、イベントの写真を350.orgのホームページにアップロードして、この写真を、セカイに送信するんだ。このイメージの洪水が、大衆に気候変動についての議論を巻き起こし、統一されたグローバル市民への説明責任をリーダーたちに課すことになる。

僕たちにはキミの手助けが必要だ。世界は広く、僕たちは少数だ。350.orgの事務局たちは、バナーの題目作りからプレスリリース作り、資料提供から地域の気候行動グループ作りのツール提供まで、支援できることならなんでもするだろう。支援が必要なら電話とe-mailの後ろでいつも待機しているからね。

こいつはまるで人類にとっての卒業試験のようだ。ボクたちは勇気と誓い、創造性を集めて、この地球を手遅れになるまえに、安定コースに戻すことができるだろうか?10月24日は、それが可能だ、と証明する嬉しく、力強い日になるだろう。

僕たちに参加してほしい、そして地域のイベントを今日登録するんだ。

呼びかけ
Bill McKibben - Author and Activist- USA
Vandana Shiva - Physicist, Activist, Author - India
David Suzuki - Scientist, Author, Activist - Canada
Bianca Jagger - Chair of the World Future Council - UK
Tim Flannery - Scientist, Author, Explorer -Australia
Bittu Sahgal - Editor of Sanctuary magazine - India
Andrew Simmons - Environmental Advocate, St. Vincent & The Grenadines
Christine Loh - Environmental Advocate and Legislator - Hong Kong

追記:
 他の事も直ちにしてほしい、簡単なことだ。
 このメッセージをだれでも知っている人、遠くにいる人でも大丈夫だから、送ってほしい。
このメッセージを手動でコピーしたり、以下のリンクから電子郵便のツールを使ってコメント付きで宛先に送ることもできる。
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 以上です。なんだかドラゴンボールの元気玉のような呼びかけだとも思いつつ。
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by togura04 | 2009-10-24 13:42 | コペンCOP15/CMP5
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オーマイガッ!
350ppmが新たな地球温暖化の最終防衛線である、とパチャウリIPCC議長が個人的見解ながらも認めちゃいました。

350.org:BREAKING: Top UN Scientist Endorses 350!
http://www.350.org/rajendra

"As chairman of the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) I cannot take a position because we do not make recommendations," said Rajendra Pachauri when asked if he supported calls to keep atmospheric carbon dioxide concentrations below 350 parts per million (ppm).

"But as a human being I am fully supportive of that goal. What is happening, and what is likely to happen, convinces me that the world must be really ambitious and very determined at moving toward a 350 target."


元記事はこちら。
AFP:Top UN climate scientist backs ambitious CO2 cuts
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5hacayDuUcngLmhNkplHB5VtG5GNw
あんさん、アンビシャスなんて表現で足りるもんですかい。

 IPCCの最新の科学的知見(第四次レポートAR4)を時代遅れだと防衛ラインを動かされてしまったら、コペンハーゲンCOP15はぐちゃぐちゃになりそうですが・・・。

 一部の科学者および一部の途上国から、安定な気候のためには350ppm大気中濃度目標が必要であると提案されていることを重く受け止めるなら、いわゆる「低炭素社会」を実現することでは不十分です。
 これまでの増加傾向をオーバーシュートさせて現在の387ppmから過去の350ppm大気中濃度に戻すためには、可及的速やかにすべての国が「カーボンニュートラル国家」とそれを超えた「カーボンマイナス国家」を目指す削減対策を進める必要があります。

「カーボンニュートラル国家」≒日本の場合なら排出量の97%?削減、可及的速やかに≒2020年目標ですからねえ。

 パチャウリ氏にとっては、ガリレオが「それでも地球は回っている」と発言したのと同様な発言だったのかもしれません。よーゆうたなー。

参考:
 あんまり活発に書き込みはしていませんが、mixiのコミュ「350ppm」へお出でください。

 あるいは、ブログ右端中央のタグクラウド(単語集)の中から、350.orgのタグをクリックして過去記事をお読みください。
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by togura04 | 2009-08-26 02:27 | 枠組みの解説
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BBC:Tuvalu vows to go carbon neutral ツバル、カーボン・ニュートラル(炭素中立)を誓う
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8158604.stm
という記事がありました。

 ツバルは2020年までに太陽や風力などの再生可能エネルギーのみを使う国になる、とツバルの公益事業(エネルギー?)大臣が誓ったそうです。

 UNEPの広報官Nick NuttallはAFPにこう語った。「ある意味で、これらの国々は、気候変動と戦おうとするのなら動かなければならない方向、中規模国、大経済国が歩むべき道を舗装しているのだ」と。

 一緒に出ていた、UNEP出典の表によると、これまでにカーボン・ニュートラル国になると誓った国は、

コスタリカ
エチオピア
アイスランド
モルディブ
モナコ
ニュージーランド
ニウエ
ノルウェー
パキスタン
ポルトガル

の計11カ国とのことです。

コメント:
 表題のような「カーボン・ニュートラル国」クラブが現在形成されつつあるのだと思います。

 ノルウェーのような産油国に始まり、ポルトガルのようなEU内の先進国が誓うことは重要ですし、太平洋の島国先進国ニュージーランドが提唱するのもありがたいことです。
 とともに、ツバルやニウエ、モルディブといったほんとうにCO2を出している世界の中での比率がわずかで、温暖化にはまるで寄与していない小島嶼国の国々が、温暖化の被害を受ける一方という関係であるのにも関わらず、カーボン・ニュートラルとするほどの緩和策に資源をつぎ込むということは、まさに彼らこそ、温暖化対策を先導するリーダーと呼ぶべきでしょう。

 小さな国がユニラテラルな行動をすることの意味は、もちろん対策を怠っている先進国に道義的な責任を呼び覚ますことの他にもう一つ、ピークオイルが引き起こす経済への悪影響を避けるという視点で意味があるといえるでしょう。
スウェーデンは2020年の脱石油社会をめざす
Nzクラーク首相、ピークを認めるby『南十字星通信』

ちなみに、
 カーボン・ニュートラルという言葉は、これまでは、バイオマス由来の燃料が、大気と植物生態系の間をCO2が循環するため原理的に地下から化石燃料を取り出さないですむことから温暖化を悪化させない、というバイオマス燃料の特性をカーボン・ニュートラルと表現していました。

 あるいは、カーボンオフセットを用いるプロジェクトによって会社単位で完全に事業に伴う排出をオフセットした場合にカーボンニュートラルを宣言するという場合に使われていました。

 しかしこれからは、国全体の枠の中で、自然の吸収源で完全にオフセットされる排出量に、国内の排出を限定したことを指す言葉になるのではないでしょうか。その先に見えるのは、「カーボン・マイナス」の世界でしょう。仮に大気中CO2濃度の389ppmという現状から350ppmへの道を辿るためには、すべての国が「カーボン・マイナス」となることを目指す必要があります。

リンク紹介
モルディブ 世界初のカーボンニュートラルな国になります
http://www.thinktheearth.net/jp/thinkdaily/news/news-detail-655.shtml
ノルウェーがカーボンニュートラルを目指す
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco07q2/532486/
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by togura04 | 2009-07-20 22:21 | 途上国の動向
 各種の米国の団体からの緊急メッセージが届いています。
オバマ政権の温暖化対策を占う、米国のキャップ&トレード排出権取引の実施&各種の規制組み合わせ法案は、今年中の成立を期して、下院での採決が現地時間の26日晩ないし27日朝に行われるということです。

ワシントン・ポスト紙とABCニュースが行った世論調査によると
http://www.washingtonpost.com/wp-srv/politics/polls/postpoll_062209.html?sid=ST2009062404004
 オバマ大統領の支持率は高いですねー。いまだに65%をキープしています。
またテーマ別のe、Global warmingについては 支持率54%  不支持率28% 意見なし17%
とダブルスコアで支持されています。

 タイミングを合わせたものかどうかは知りませんが、 かつて温暖化の警告証言を行ったNASAのスター科学者、ジェームズ・ハンセンは先日、石炭の露天掘りを止めさせる非暴力の直接行動を行い、他の有名活動家たちとともに逮捕されました。
 (国際交渉の場での一部途上国の主張の素にもなったビル・マッキベンの350.orgは、ハンセンの警告を受けてこのキャンペーンの数字350ppmを決めています。)
NASA’s James Hansen arrested in protest on mountaintop removal
http://climateprogress.org/2009/06/23/james-hansen-top-us-climate-scientists-arrested-protest-on-mountaintop-removal/
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”「私は政治家ではない。科学者であり市民だ。」とジェームズ・ハンセン博士は語った。 「政治家は選択を迫られて中途半端な政策を提唱する必要があるかもしれない。 しかし、政治的に妥当なことではなく何が正しいのか、を主張する市民からの圧力を政治家に確かに感じさせるのは私たちの責任なのだ。」「山頂を削る石炭採掘は、エネルギー源のわずかな一部にしか過ぎず、全廃しなければならない。」と語った。”

 先月には同様な直接行動に参加して、ワシントンDCの石炭火電の建設計画も撤回させました。

 オバマ政権の下での政策の地殻変動は、こういう草の根の動きも誘発しつつあるのでしょう。

・Police pinch protesting Hansen in climate change kerfuffle
http://blogs.nature.com/climatefeedback/2009/06/police_pinch_protesting_hansen.html
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by togura04 | 2009-06-26 20:26 | 米国の動向

ボン会合の評価について

(初出6月16日)
 ボン会合の評価についてまとめておきます。

とはいっても、独自のことをするわけではなくて、
●地球交渉速報(ENB)のサマリーから抜粋を紹介しておくものです。
pdf版はこちら。
http://www.iisd.ca/download/pdf/enb12421e.pdf

会合の短い分析(A Brief Analysis of the Meetings)-抄訳
・コペンハーゲンまで半年を切り、新たな合意のためのアイデアの大半は、ここボンBonn II会合で作られたテキストに盛り込まれた。コペンハーゲンで作られるのが京都議定書の改正であれ、気候変動枠組条約の下の新たな議定書であれ、半年前に文章での提案がなされる必要があるためである。

・AWG-LCAとAWG-KPはどちらもテキストについて討論を行ったが、AWG-KP(議定書の先進国の対策の更新について)の方が、細かい論点についての議論が行われた。

・AWG-LCA:彫刻を始める前の塊りを選ぶ段階
 始まる直前に提供された”マイケルの文書”から、交渉のスタートポイントを作るために多くのコメントがなされ、当初の53ページから200ページに膨れ上がった。これを意味のある”彫刻”に形作るためには、特に”政治的なビジョン”が必要である、と専門家は語る。
 どのような形の法的文書にするのか、はインフォーマルミーティングで初めて討議されたが、バリCOP13で決められなかったのと同じく、見解が別れた。
 新たな議定書を作る提案が、(日本を含む)5カ国から行われたが、その討議はCOP15の本番で初めて行われる。

・AWG-KP:複雑なパズルの断片を彫り始める
 先進国の目標の更新に関しては、「数値目標」とその実施を担保する「法制度」の両方の複雑なパズルのピースを掘り始めている。
 途上国のほとんどは、まず先進国が附属書B国の野心的な目標を定めることを求めていたが、ほとんどの先進国は、目標を決めてから法制度を確定した京都の悪い経験を避けたいと思っている。

以下、続きは後日に。


●ちょっとズルして、NGO交渉ウォッチャーであるWWFJapanの山岸氏の個人ブログへのリンクを。
http://d.hatena.ne.jp/rdaneelolivaw/20090612
 ”こうして全体の内容をざっと見てみると、書かれている中身そのものがダメということではないのだが、明らかに、今回の結論としては足りないものがある。それは、先進国全体の削減水準に関する結論である。
 個別の国々の削減目標は、コペンハーゲンでなければ決まらないだろうというのは分かるのだが、先進国「全体」の削減幅は、そろそろきちんとした形で示さないと、途上国からの積極的な交渉態度を引き出すことはできないだろう。
 日本は、あまり野心的でない中期目標を掲げたことで、この流れは決して前向きには貢献できていない。
 先進国の交渉官の立場からすれば、先に先進国だけのコミットメントにつながるような結論はさけなければならず、コペンハーゲンの最終局面で全てが決まればいいと思っているので、この点について進展がないのは悪いことではないと思っているのだと思う。
 しかし、その交渉姿勢では、おそらくこのまま膠着状態が続き、先進国が議論したいと思っている「途上国の次期枠組み内での削減行動」には議論が辿り着けない恐れがある。”

 とのことでした。


●日本政府の報道発表(pdf版)はこちら。
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=13742&hou_id=11240
”附属書Ⅰ国(先進国)全体の削減量については、途上国は先進国の歴史的責任を強調し、科学の要請に基づきトップダウンで野心的な数値を決定すべきと主張した。具体的には、IPCC 第4次報告書にある25~40%削減を根拠にしつつ、2020 年に1990 年比で、南アフリカが40%、小島嶼国連合が45%、フィリピンが50%、インドが79.2%を提案した。”


●山岸氏のブログで大事な記事を紹介していたので、図を含めて以下に紹介しておきましょう。
Nature誌へのコメンタリーとして投稿、6/11に公表された記事
Halfway to Copenhagen, no way to 2 °C (コペンハーゲンへの道半ば、しかし2℃未満への道には非ず)
Joeri Rogelj, Bill Hare, Julia Nabel, Kirsten Macey, Michiel Schaeffer, Kathleen Markmann & Malte Meinshausen
http://www.nature.com/climate/2009/0907/full/climate.2009.57.html
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 グラフの説明:図は2000年から2050年についての累積CO2排出量1兆トンの経路と、コペンハーゲン合意途中の最良'current best'のシナリオ経路の2種の経路について、(a)京都議定書規制の6種の温室効果ガスの総排出量、(b)同大気中濃度、(c)21世紀中の平均表面温度上昇幅の予測値の3つのグラフを示している。bとcには同じ不確実性の範囲を示している。

”100ヶ国以上の国は温暖化の制限を2℃以下とすることを提唱している。この国々の人口は2005年の世界人口の25%以上を占める。さらに、小島嶼国連合(AOSIS)を含む最も気候災害に脆弱な途上国の多くは、産業革命以前に比べて1.5℃昇温で食い止めることを求めている。”

”この分析によれば、現在のコペンハーゲン途中の最良のシナリオ経路では、温暖化を2℃あるいは1.5℃に抑えるチャンスは事実上ゼロである。つまり、事実上2℃超えが確実に起こる。”

 ・・・ということで、たとえコペンハーゲンで合意に達成したとしても、ほぼ意味のない交渉合意が出来上がってしまうという危機の最中にあると言わざるを得ません。 
 →以前の記事「適応策:2℃のラインを守れ、しかし4℃昇温に備えよ」を参照ください。
”・私たちにどんな手が残されている?
 できたと仮定して:
  … 過去にない排出の緩和策の革新が行われ
  … 650ppmv CO2e での安定化が、私たちがますます最善の成果と期待できるようになる
  i.e. ~4℃以上の人為的な気候変動を意味する
・結論として
 私たちは緊急に、気候変動議論の枠組を変える必要かある:
  緩和策としては
   政策を動かすために2℃目標を残せ
  適応策としては
   4℃に耐えるための政策が必要 ”

 →代替案として、姉妹ブログ『救命ボートをどう造ろう』の方での考察を早急に進めないといけない状況のようです。
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by togura04 | 2009-06-19 00:58 | コペンCOP15/CMP5
(初出09/5/16 16:37)

 気候ネットワークさんのHPのテンプレートにカットペーストする形で送ったものです。

(1)⑦●

 2005 年比-30%、1990 年比-25%以上の削減を求める。
 少なくとも⑥、実際には⑥よりも踏み込んだ削減対策が必要である。

 子どもたちに地球温暖化の被害のツケを残さないためには、科学の警告に耳を傾け、日本も大幅削減の道をたどる必要がある。

 一部の科学者および一部の途上国から、安定な気候のためには1.5℃安定化気温目標と350ppm大気中濃度目標が必要であると提案されていることを重く受け止めるべきである。
 すなわち、いわゆる「低炭素社会」を実現することでは不十分である。これまでの増加傾向をオーバーシュートさせて現在の387ppmから過去の350ppm大気中濃度に戻すためには、可及的速やかに「カーボンニュートラル国家」とそれを超えた「カーボンマイナス国家」を目指す削減対策を進める必要がある。

(2)その中期目標の実現に向けて、どのような政策を実施すべきか

項目
 気候の危機のみを見て敬して遠ざけるのではなく、日本政府は気候、エネルギー、経済のトリプル・クランチ(3重の危機)という概念を受け入れて、3重の危機への対応を取るとの政治決断を行うことが大事である。
 まずは2008年がピークオイルの年であったと宣言し「ピークオイル危機は深刻な課題であるため、今後##年間で脱石油社会への転換を達成する」と宣言すること、そしてこのピークオイルの概念を普及させる啓発教育を進めるべきである。
 目前の危機対応として脱石油社会への転換を図り、なおかつ温暖化を悪化させる悪影響のある対策を阻止すれば、結果的に温暖化対策が実施されることになる。

理由:
 2005年発行の米国エネルギー省のハーシュレポートによれば、ピークオイル時の需給ギャップを埋めるのに必要な対策規模は、対策を開始してから20年間程度、膨大な規模であらゆる代替案へ投資することによってのみ可能となる。
 国際エネルギー機関IEAのWEO2008のデータによると、石油開発にも従来の何倍もの割高な投資を膨大にしなければ、2015年頃の時期のBauシナリオすら維持できない。つまり安い石油時代は(仮に2008年に終わったものと宣言せずとも、)遅くとも2015年頃に終わっている。ただちに死に物狂いのエネルギー対策を始めなければハーシュレポートが求める対策には間に合わない。

 この2015年とは2020年よりも数年前であるから、安価な石油価格を想定した懇談会の6つのシナリオ評価は全て、不適切な前提条件で行われた計算であり、無効である。

 昨年夏欧米では主流になったピークオイル論の警告で言われたような、1バレル200-300ドルといった高い原油価格や極端なボラティリティの下では、従来型の石油消費の傾向を続ければ貿易赤字を避けることが不可能となり、輸出依存型のGDP成長はありえなくなる。
 安い石油がなくなることで、産業界は壊滅的な影響を受けることが想定されるからには、脱石油、脱化石燃料のシステムに転換すること、それ以外に経済を生き返らせる道もない。

 あらゆる需要と社会の仕組みを、従来のグローバル化とは逆向きの、「再ローカル化」させることを日本版の「グリーン・ニューディール」として始めるべきである。

(3)その他、2020 年頃に向けた我が国の地球温暖化対策に関する意見

・日本は社会主義国ではないので、日本経団連が主張している、鉄鋼生産量1億2000万トン死守などという計画経済的な主張は、目的と手段を取り違えた浅はかな考えであることを確認すべきである。

・環境を破壊してしまえば経済もなし。そして今回国際協調に失敗すれば、世界を破滅においやったという恐ろしい責任だけが後に残るだろう。国際協調できる環境、そのものが絶滅に瀕しているのであるから、先進国の一端として、日本はコペンハーゲンCOP15における国際交渉を前向きにリードしなければならない。

・ただちに急速に成長させうる代替策は自然エネルギーの推進及び需要削減による「ネガワット」だけと考えられる。従ってこれらで賄える程度にまでエネルギーを減らしても成立するように社会および経済の構造を変えることを目指す必要がある。

・高速増殖炉路線の開発で対応することは不可能である。2050年の商用化からさらに60年間掛ける時間的余裕は、前述のピークオイルの下ではありえないから。
 実質的には破たんしている核燃料サイクル政策への固執は、「不都合な真実」であるピークオイルに目を向けさせなかった原因ともいえ、この政策を破棄するべきである。
 実際には1ワットも新たなエネルギーを生み出さない既存原発でのプルサーマル化には意味はなく軋轢を生むだけなので中止すべきである。
 そもそも反対運動により新規建設が止まっている在来型の原発も、急激な代替策の普及が必要な現状では解決策とはなりえない。

・温暖化を悪化する対策をとらないこと。熱帯林を破壊してのパームオイルプランテーションによりバイオ燃料開発を進めることは温暖化を加速すると評価されている。あるいはCCSなどは単にCO2を地底に埋め捨てる政策であるが、膨大なエネルギーも必要とするため化石燃料の消費削減には繋がらず、ますます高騰する化石燃料価格の下では単に実行できない絵に描いた餅である。

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コラムニストセイジさんのブログ、経済ニュースゼミにTBを送らせて頂きました。
自滅への道
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/50850814.html
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by togura04 | 2009-05-24 16:29 | 国内方針

「京都議定書の次のステップは何だろう」JanJanBlog版
が急に終了してしまいました。

 ブログの過去記事は こちらへどうぞ。
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/

新たにここ、exciteブログ上で継続するに際して、中から、過去記事を少しばかり転載しておきます。

あけましておめでとうございます09/1/1


 さて、コペンハーゲンCOP15/CMP5を今年末に控え、アメリカのオバマ政権の示す温暖化対策など、動きがようやく出てきそうな年の始めです。

 今年の国際交渉の中で、軸となる概念としては、

1.350.orgが始めた350ppm安定化、というあらたな大気中CO2濃度目標が議論され組み込まれるか
 アル・ゴア、ポズナニ会場で350ppm目標を支持

2.昨年のピークオイル危機を踏まえた、脱石油の動きとの相互連関がどうなるか
 グリーン・ニューディールの出番だ!

3.適応策を作る上での「適応」気温安定化目標の概念がどうなるか
 適応策:2℃のラインを守れ、しかし4℃昇温に備えよ

 という3つの動向に注目していきたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします。

REDDについての議論は、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」で藤原氏がウォッチしていますね。
気候変動枠組み条約COP14と森林の将来(2009/1/24)
http://homepage2.nifty.com/fujiwara_studyroom/kokusai/fccccop14/fccccop14.htm

後日記:
 どうなんでしょう、日本はすでに交渉の一つの極としての政治的重要性を持っていない、と見切られているのではないだろうか。
 日本の官僚たちはほっと胸をなでおろして、新しいオバマ@アメリカについていくだけに違いない。アメリカになら、押し切られました、と言っても財界に同意されるから。
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by togura04 | 2009-01-01 17:56 | 枠組みの解説