迷走する日本の中期目標策定その3
2009年 06月 03日
関連記事を紹介していきます。
ボンでの事前交渉会議に向けての日本政府の数値公表はないままで、終わってからの公表になるのではないでしょうか?
●毎日6/4:温室効果ガス削減:目標値で自民、公明、関東知事会が意見
”自民党の川口順子・地球温暖化対策推進本部事務局長は、同本部として特定の選択肢の支持を表明せず、政府が適切に選択、設定することを求める文書を麻生首相に提出。報道陣の取材に対し、個人的な意見として最低でも「90年比7%減」、あるいは「8~17%減」への支持を表明した。”
”公明党の田端正広・地球温暖化対策本部長は、経済危機対策で太陽光発電や次世代自動車普及を推進していることなどを踏まえ、▽90年比7%減よりも削減を進める▽幅を持った数値で表明--などを求めた。”
”また、関東地方知事会長の橋本昌・茨城県知事は、自治体レベルでは25%減などの厳しい目標を掲げていることを紹介し、「15%以上減」の目標を策定すべきだとした。”
●広告で「25%以上削減を」 市民団体、マンガ雑誌にも掲載
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060201000846.html
” 広告は、日本の有権者の約6割が25%以上削減すべきだと考えているとの独自の調査結果を示し「世界は、日本がリーダーになることを望んでいる。麻生首相、ぜひヒーローになってください」としている。”
市民団体が日本経済新聞に出した意見広告(MAKE the RULEキャンペーン提供)(…をHPよりコピペ)
詳細はこちら。
”10日発売のマンガ雑誌「ビッグコミック」にも登場するという。”ということで、人を見て法を説く見事なメディア戦略ですね~。
●共同:6割超が「25%減」支持 温暖化中期目標で電話調査
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060101001039.html
”日本の有権者の60%超が現在の地球温暖化対策は不十分だとし、温室効果ガスの排出を2020年に1990年比で25%以上削減することを中期目標にするべきだと考えているとの調査結果を、世界自然保護基金(WWF)などがまとめたことが1日、分かった。
米国の世論調査会社に依頼し、5月16日から25日に日本の有権者を無作為に選んで電話調査、976人から回答を得た。
麻生内閣の温暖化対策について「さらに多くの取り組みをするべきだ」と答えた人は62%で、「現状の取り組みでよい」とした人の26%を大きく上回った。
中期目標について、現在検討されている選択肢の中で最も大きい「25%削減」を「ほぼ適切」とした人が41%、「十分に高いとは言えない」とさらに削減量が大きい目標にすべきだとした人が22%だったのに対し、「高すぎる」としたのは30%だった。”
また、日経の論説に英スターン卿が書いた記事の紹介を、ブログ『サステナ・ラボ』の「野心的目標を掲げよ」
でしています。
分割していた記事をまとめなおしておきます。
●5/27にディビッド・ウォレン駐日英国大使がアジア調査会で行ったスピーチ 「低炭素経済回復」
http://ukinjapan.fco.gov.uk/ja/newsroom/?view=Speech&id=18376537
が、英国の中の考え方を紹介したものになっています。
”私は、2度目のオイルショックを、良く覚えています。当時、私は、英国大使館に勤務する若い外交官として、エネルギー問題に取り組み、ロッテルダムの現物市場で、1バレル40ドル、などという、天文学的な価格で石油を買わないよう、日本政府に働きかけていました!これから先、このようなオイルショックが再び起きないよう、努めなければなりません。”
ここはしかし、ジョークのつもりで紹介したのでしょうか??
●環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログより
2020年時点で90年比4%増が大勢? いよいよ混迷の度を増してきた日本の温室効果ガスの中期目標
http://blog.goo.ne.jp/backcast2007/e/a310ba691ab2f65f802c35f347d435d9
に関連の新聞報道がコピペされています。いやはや、スウェーデンのトレンドと全く好対照なのが日本のトレンドですね、恥ずかしい。
●5/29下記政府ビデオの中で委員の枝廣淳子さんが紹介していた、海外のコメントはこちらを参照ください。
【プレスリリース】JFSの「日本の中期目標に関する国際世論調査」、世界は半数が選択肢6を支持
http://www.japanfs.org/ja/aboutus/press/pages/029026.html
●5/25日経:温暖化ガス中期目標「7%減案」軸に詰め 首相、6月半ばまでに判断
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090525AT3S2400S24052009.html
”政府は2020年を目安とする温暖化ガス排出削減の中期目標について、これまでに示した6つの選択肢のうち、「1990年比7%減」の案を軸に絞り込みの検討に入る。国際交渉で存在感を確保するため一定の排出削減は欠かせないとみているほか、目標達成の実現可能性も見込めると判断した。今後の交渉では排出削減の基準年を京都議定書の90年から、複数の年との比較に変更することも求める方針。これらを含めた目標を6月半ばまでに麻生太郎首相が発表する。”
●5/24政府インターネットテレビに、
総理の動き-地球温暖化問題に関する懇談会-平成21年5月24日
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2590.html
が登録されています。パブコメおよび世論調査の結果を受けて、一応各委員のコメントも聞いた、という趣旨の会合であったようです。
●コラムニストセイジさんのブログ、経済ニュースゼミより
自滅への道
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/50850814.html
●関連の読売社説
●関連の日経と朝日の新聞社説
●読売新聞では中期目標のパブコメが6000件(途中集計、最終的には1万件余り)出ていること、産業界のゆるい目標と環境NGOsの厳しい目標の二分、と紹介しています。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090514-OYT1T01266.htm
●地球温暖化問題に関する懇談会-平成21年5月24日のインターネットビデオから、最後の4大臣副大臣政務官からの最後の挨拶だけテープ起こしをしておきます。
---
斉藤環境大臣
今日は貴重なご意見を頂戴いたしました。本当にありがとうございました。これから麻生総理の下、政府の中で今日いただいたご意見をしっかり踏まえながら議論をしていきたいこのように思っております。
その上で、私自身の基本的な考え方を申し上げさせていただきたいと思います。以下の3点が大切だと考えております。
今日も出ておりましたが第1点は、我が国が温暖化問題の解決に向け真剣な貢献をしようとしているとうけとめられるものであること。
従って科学の要請にこたえたものといえる必要がある。これが第1点です。
第2点は国際交渉は我が国がリードし、全ての主要排出国が参加する枠組作りに貢献するものであることでございます。私も各国のカウンターパートと何回も議論を重ねてきておりますけれども、
中国は歴史的排出量ということを言いまして、まあこれまで沢山出してきた先進国がそれなりの決意を示してくれと、でなければ中国は入れない、こういうことを言っておりますし、アメリカはその中国が入らない枠組みには上院の支持が得られないと、このように言っております。そういう意味で主要途上国の参加を促すような国際的な期待も考慮すべきだと考えております。
第3点は、グリーンニューディールということでございます。これは福井座長も今回の分析の中で、いろいろなすべてのいろいろな要素が入っているというご説明でございましたが一つ、グリーンニューディール的な要素はなかなか入らなかったというふうにおっしゃっておりました。大きな社会変革を及ぼしていくその効果も考えるべきではないかと思っております。具体的には、経済危機対応策ということで、今回の補正予算等、例えば太陽光発電については現状の20倍、2020年までに20倍、それから自動車、次世代自動車については新車販売の二分の一という目標をすでに政府の方針として定め予算化しているわけでございまして、それを踏まえた対応であることが必要でなくてはならない。グリーンニューディールを引き起こすものでなくてはならないいうことでございます。
その上で目標の示し方につきまして、これまで出されている各国の目標値等を勘案すると、以下の点に留意する必要があろうかと思います。
一つはアメリカの取り組みです。私は先日アメリカを訪問いたしましたけれども、オバマ政権の下、気候変動交渉に積極的な姿勢を示しておりました。主要排出国でもある米国との連携は極めて重要と考えております。
アメリカはIPCCが示している気温上昇を2℃以内に抑制するシナリオを念頭において、2050年までに大幅な削減を達成するとし、それにいたる排出のパスは、複数存在するこの幅の絵を出してきております。早い時点で大きな削減を行えばわれわれ子どもや孫の負担は小さくなると。
しかしいま我々が楽をすれば、結局2050年には目標を達成しなきゃいけないわけですから、我々の孫や子どもはほんとうに血反吐を吐くほどの努力を押し付けるということになる、そういうことを考慮して2050年までのパスを考えようということで国内法を作り、現在、下院におきまして、ワックスマン・マーキー法案が審議されておりまして、先日5月21日に委員会で可決されました。
この法案は、今後アメリカの提案の基礎になると考えておりますけれども、この法案では2050年までに2005年比で83%の削減。
このためキャップ&トレード型の排出量取引などを導入して、2020年に20%削減する、2030年には42%の削減をするという内容になっております。
それからもうひとつは、各国の中期目標の性格についてです。
日本で議論されている6案はすべて国内での排出削減、いわゆる真水ですけれども、EUはもとより、アメリカやオーストラリアはこれにくわえて森林吸収源やCDMなど海外からのクレジット購入を加えた目標としております。
また他の主要排出国が相応の約束をした場合に削減幅を引き上げるとしている国もございます。これらは途上国の削減を支援することや主要排出国の参加の促進を念頭においていると思われますが、こうした点も十分考慮すべきでございまして、従って国内削減の真水をベースラインとして、他の手段でこれより追加的に削減する分を考慮する、目標を幅で示すことも有効であると考えております。
いずれにしましても、交渉は今後7月のG8サミットをはさみ、年末までかけて行われます。我が国の中期目標は国際社会に我が国の取り組み姿勢が評価されることを確保しつつ、交渉に際しての柔軟性を備えたものとすることが重要と考えます。万が一にも内外から一斉に批判を浴びるものではあってはならないと考えております。今日は本当にありがとうございました。
吉川たかもり経済産業副大臣
我が国はこれまで2050年までに世界全体での温室効果ガスの排出半減という長期目標を共有をいたしまして、米国や中国、インドなどの主要経済国が参加する公平で実効的な枠組の構築が必要であると主張してまいりました。
我が国の中期目標としましては、こうした枠組作りに貢献し、裏打ちのない宣言ではなく、経済面でも実行可能で、地球全体の温暖化対策に貢献するものであることが重要であると考えております。
今般、取りまとめました「未来開拓戦略」におきましても、低炭素社会の実現に向けまして太陽光発電の新たな買い取り制度の導入などの対策も盛り込んだところでございます。
他方、中期目標の実現におきましては、国民一人一人に相応の負担をお願いをせざるをえません。地域経済や中小企業への影響などもしっかり勘案する必要があると考えております。
環境を制約ではなくて、成長のばねにつなげるというという姿勢が基本とはいいましても、実現可能性のない目標を設定することとなれば、やはり経済への大きな制約、さらには経済成長を危うくし、海外からのクレジット購入による国富の流出を招き、技術開発の原資を奪いかねないと考えております。
我が国はこれまでもオイルショックという危機を官民連携の下で乗り切り、世界最高の省エネ国家としての地位を確立をして参りました。引き続き我が国が一丸となって、技術革新や一層の省エネ等、最大限の努力を行うとともに、我が国の誇る優れた技術、製品を広く海外へも普及させることで、世界全体での排出削減に貢献していかねばならないと考えておるところでもあります。
本日は委員の皆様からも貴重なご意見をいただきました。以上の点を再度強く認識させていただいたところでございまして、経済産業省といたしましても引き続き、関係諸官庁と連携をいたしまして、公平かつ実効的な枠組作りに向けた国際交渉や環境と経済の両立に資する取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上であります。
柴山まさひこ外務大臣政務官
ありがとうございました。私の方からは、国際交渉の動向、それと中期目標の選択肢、この2点についてふれさせていただきたいと思います。
まず国際交渉の動向についてですけれども、今年初めからの気候変動をめぐる国際情、国際交渉は、議長の交渉ペーパーが提出されております。6月1日からの第2回の交渉に向けて中期目標の公表を含め各国の立場が明確化してまいりまして、交渉はいよいよ名実ともに本格化しつつあります。
日本としては12月のコペンハーゲンでの締約国会議において、すべての主要経済国が責任ある形で参加する枠組が一つの法的文書の形で合意されることが必要であるという考え方の下に主要経済国の果たすべき義務を規定する新たな議定書の草案をこの4月に提示したところであります。こうした素案を提出したのは我が国だけであります。
公平かつ実効的な2013年以降の次期枠組み構築に向けて今後とも粘り強く交渉を我が国として行っていく所存であります。
そして並行して、アメリカ主導の主要経済国フォーラムMEFでは、主要経済諸国による協議が開始されて、ここでも先進諸国と、主要途上諸国の気候変動に対する取り組みが議論をされております。我が国としてはアメリカと協力しつつ7月のMEF首脳会議に向けた作業の進展に貢献したいと思っております。
そして中期目標の選択肢についてであります。多くの先進諸国がすでに今申し上げたとおり中期目標を発表してきている中で我が国の中期目標の数値は世界から注目されております。
先週訪日した、本年12月の締約国会議の主催国であるデンマークのヘデゴー気候エネルギー大臣も、日本が野心的な中期目標を発表することを期待すると言う旨述べておられました。
確かに中期目標はこの経済経済状況です、経済面でも実行可能で、各国の過去の努力や産業構造のちがい、削減コストなども考慮して、国際的公平性が確保されたものである必要があります。
しかし同時に我が国が引き続き国際交渉においてリーダーシップを発揮していくためには、我が国の中期目標は地球全体の温暖化対策に貢献するものであると共に、我が国の姿勢が後ろ向きとの印象を与えることのない数値である必要があると、外務省としては強く申し上げたいと思います。
さきほど、島サミットについてのご言及ありました。今回の参加国では水没の危機感が示されたところでもあります。温暖化の世界に与える影響を憂える声は、本当に大きくなっていると思っております。世界を考えた日本ということを踏まえての判断が必要であるということを申し上げまして、私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。
奥田座長
最後に総理から一言ご挨拶をいただきたいと思います。その前にカメラ入りますので少しお待ちください。
麻生首相
日曜日にも関わりませず、地球温暖化問題に対する懇談会にご参加をいただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
いろいろなご意見を多方面からじっくり聞かせていただいた時間でありまして、大変感謝を申し上げたいと存じます。
いろいろ資料に出ておりますとおり、中期目標の設定というものは、これは国民に取りましても負担を生じますんでその意味では国民生活全般に渡って大きな影響を与える、そう思っておりますのでパブリックコメントを取らせていただきましたり、また全国で高橋さんが参加されたと言っていましたが意見交換会、また世論調査などを通じてできるだけ多くの意見というものを幅広くいただきたいという努力をいたしたところです。
今日も産業界、NGOに限らず消費者団体また労働界などからさまざまな立場の方からそれぞれご意見をいただきましてまことにありがとうございました。
パブリックコメントに1万人を越える多くの声が寄せられたということは明らかに国民の意識として知っているという意識、85%を越えているという事実をみましても、われわれとしては大変関心が高い問題であるということに関しては、さきほど消費者団体を代表して話をしておられました。その通りだと思っておりまして、こういったもの意識が出てきたということだけでも昔とはえらい違いだと思って感謝をしております。
いずれにいたしましても、この対策を何をやるにしても負担を求めるということになります。したがって多くの方々にこの負担という問題と負担をしなかった場合の負担、両方考えないかん、というところが大事なんだというお話を真剣にいろいろ考えていただいたことに意を強くしたところです。
いずれにいたしましても、皆さんのご意見というものを参考にして私自身じっくり考えていきたいと思っております。
来月前半、半ばごろには、半ばごろでしょうか、日本の考え方というものなりをきちんとまとめて中期目標を私の方からしっかり発表させていただくいうことによって、それをもってサミットその後のCOP15につなげていきたいと考えております。
いずれにしても、長時間にわたっての本日のご参加いただいたことに改めて感謝をもうしあげて御礼に変えさせていただきます。
ありがとうございました。
---
ボンでの事前交渉会議に向けての日本政府の数値公表はないままで、終わってからの公表になるのではないでしょうか?
●毎日6/4:温室効果ガス削減:目標値で自民、公明、関東知事会が意見
”自民党の川口順子・地球温暖化対策推進本部事務局長は、同本部として特定の選択肢の支持を表明せず、政府が適切に選択、設定することを求める文書を麻生首相に提出。報道陣の取材に対し、個人的な意見として最低でも「90年比7%減」、あるいは「8~17%減」への支持を表明した。”
”公明党の田端正広・地球温暖化対策本部長は、経済危機対策で太陽光発電や次世代自動車普及を推進していることなどを踏まえ、▽90年比7%減よりも削減を進める▽幅を持った数値で表明--などを求めた。”
”また、関東地方知事会長の橋本昌・茨城県知事は、自治体レベルでは25%減などの厳しい目標を掲げていることを紹介し、「15%以上減」の目標を策定すべきだとした。”
●広告で「25%以上削減を」 市民団体、マンガ雑誌にも掲載
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060201000846.html
” 広告は、日本の有権者の約6割が25%以上削減すべきだと考えているとの独自の調査結果を示し「世界は、日本がリーダーになることを望んでいる。麻生首相、ぜひヒーローになってください」としている。”
市民団体が日本経済新聞に出した意見広告(MAKE the RULEキャンペーン提供)(…をHPよりコピペ)
詳細はこちら。
”10日発売のマンガ雑誌「ビッグコミック」にも登場するという。”ということで、人を見て法を説く見事なメディア戦略ですね~。
●共同:6割超が「25%減」支持 温暖化中期目標で電話調査
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060101001039.html
”日本の有権者の60%超が現在の地球温暖化対策は不十分だとし、温室効果ガスの排出を2020年に1990年比で25%以上削減することを中期目標にするべきだと考えているとの調査結果を、世界自然保護基金(WWF)などがまとめたことが1日、分かった。
米国の世論調査会社に依頼し、5月16日から25日に日本の有権者を無作為に選んで電話調査、976人から回答を得た。
麻生内閣の温暖化対策について「さらに多くの取り組みをするべきだ」と答えた人は62%で、「現状の取り組みでよい」とした人の26%を大きく上回った。
中期目標について、現在検討されている選択肢の中で最も大きい「25%削減」を「ほぼ適切」とした人が41%、「十分に高いとは言えない」とさらに削減量が大きい目標にすべきだとした人が22%だったのに対し、「高すぎる」としたのは30%だった。”
また、日経の論説に英スターン卿が書いた記事の紹介を、ブログ『サステナ・ラボ』の「野心的目標を掲げよ」
でしています。
分割していた記事をまとめなおしておきます。
●5/27にディビッド・ウォレン駐日英国大使がアジア調査会で行ったスピーチ 「低炭素経済回復」
http://ukinjapan.fco.gov.uk/ja/newsroom/?view=Speech&id=18376537
が、英国の中の考え方を紹介したものになっています。
”私は、2度目のオイルショックを、良く覚えています。当時、私は、英国大使館に勤務する若い外交官として、エネルギー問題に取り組み、ロッテルダムの現物市場で、1バレル40ドル、などという、天文学的な価格で石油を買わないよう、日本政府に働きかけていました!これから先、このようなオイルショックが再び起きないよう、努めなければなりません。”
ここはしかし、ジョークのつもりで紹介したのでしょうか??
●環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログより
2020年時点で90年比4%増が大勢? いよいよ混迷の度を増してきた日本の温室効果ガスの中期目標
http://blog.goo.ne.jp/backcast2007/e/a310ba691ab2f65f802c35f347d435d9
に関連の新聞報道がコピペされています。いやはや、スウェーデンのトレンドと全く好対照なのが日本のトレンドですね、恥ずかしい。
●5/29下記政府ビデオの中で委員の枝廣淳子さんが紹介していた、海外のコメントはこちらを参照ください。
【プレスリリース】JFSの「日本の中期目標に関する国際世論調査」、世界は半数が選択肢6を支持
http://www.japanfs.org/ja/aboutus/press/pages/029026.html
●5/25日経:温暖化ガス中期目標「7%減案」軸に詰め 首相、6月半ばまでに判断
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090525AT3S2400S24052009.html
”政府は2020年を目安とする温暖化ガス排出削減の中期目標について、これまでに示した6つの選択肢のうち、「1990年比7%減」の案を軸に絞り込みの検討に入る。国際交渉で存在感を確保するため一定の排出削減は欠かせないとみているほか、目標達成の実現可能性も見込めると判断した。今後の交渉では排出削減の基準年を京都議定書の90年から、複数の年との比較に変更することも求める方針。これらを含めた目標を6月半ばまでに麻生太郎首相が発表する。”
●5/24政府インターネットテレビに、
総理の動き-地球温暖化問題に関する懇談会-平成21年5月24日
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2590.html
が登録されています。パブコメおよび世論調査の結果を受けて、一応各委員のコメントも聞いた、という趣旨の会合であったようです。
●コラムニストセイジさんのブログ、経済ニュースゼミより
自滅への道
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/50850814.html
●関連の読売社説
●関連の日経と朝日の新聞社説
●読売新聞では中期目標のパブコメが6000件(途中集計、最終的には1万件余り)出ていること、産業界のゆるい目標と環境NGOsの厳しい目標の二分、と紹介しています。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090514-OYT1T01266.htm
●地球温暖化問題に関する懇談会-平成21年5月24日のインターネットビデオから、最後の4大臣副大臣政務官からの最後の挨拶だけテープ起こしをしておきます。
---
斉藤環境大臣
今日は貴重なご意見を頂戴いたしました。本当にありがとうございました。これから麻生総理の下、政府の中で今日いただいたご意見をしっかり踏まえながら議論をしていきたいこのように思っております。
その上で、私自身の基本的な考え方を申し上げさせていただきたいと思います。以下の3点が大切だと考えております。
今日も出ておりましたが第1点は、我が国が温暖化問題の解決に向け真剣な貢献をしようとしているとうけとめられるものであること。
従って科学の要請にこたえたものといえる必要がある。これが第1点です。
第2点は国際交渉は我が国がリードし、全ての主要排出国が参加する枠組作りに貢献するものであることでございます。私も各国のカウンターパートと何回も議論を重ねてきておりますけれども、
中国は歴史的排出量ということを言いまして、まあこれまで沢山出してきた先進国がそれなりの決意を示してくれと、でなければ中国は入れない、こういうことを言っておりますし、アメリカはその中国が入らない枠組みには上院の支持が得られないと、このように言っております。そういう意味で主要途上国の参加を促すような国際的な期待も考慮すべきだと考えております。
第3点は、グリーンニューディールということでございます。これは福井座長も今回の分析の中で、いろいろなすべてのいろいろな要素が入っているというご説明でございましたが一つ、グリーンニューディール的な要素はなかなか入らなかったというふうにおっしゃっておりました。大きな社会変革を及ぼしていくその効果も考えるべきではないかと思っております。具体的には、経済危機対応策ということで、今回の補正予算等、例えば太陽光発電については現状の20倍、2020年までに20倍、それから自動車、次世代自動車については新車販売の二分の一という目標をすでに政府の方針として定め予算化しているわけでございまして、それを踏まえた対応であることが必要でなくてはならない。グリーンニューディールを引き起こすものでなくてはならないいうことでございます。
その上で目標の示し方につきまして、これまで出されている各国の目標値等を勘案すると、以下の点に留意する必要があろうかと思います。
一つはアメリカの取り組みです。私は先日アメリカを訪問いたしましたけれども、オバマ政権の下、気候変動交渉に積極的な姿勢を示しておりました。主要排出国でもある米国との連携は極めて重要と考えております。
アメリカはIPCCが示している気温上昇を2℃以内に抑制するシナリオを念頭において、2050年までに大幅な削減を達成するとし、それにいたる排出のパスは、複数存在するこの幅の絵を出してきております。早い時点で大きな削減を行えばわれわれ子どもや孫の負担は小さくなると。
しかしいま我々が楽をすれば、結局2050年には目標を達成しなきゃいけないわけですから、我々の孫や子どもはほんとうに血反吐を吐くほどの努力を押し付けるということになる、そういうことを考慮して2050年までのパスを考えようということで国内法を作り、現在、下院におきまして、ワックスマン・マーキー法案が審議されておりまして、先日5月21日に委員会で可決されました。
この法案は、今後アメリカの提案の基礎になると考えておりますけれども、この法案では2050年までに2005年比で83%の削減。
このためキャップ&トレード型の排出量取引などを導入して、2020年に20%削減する、2030年には42%の削減をするという内容になっております。
それからもうひとつは、各国の中期目標の性格についてです。
日本で議論されている6案はすべて国内での排出削減、いわゆる真水ですけれども、EUはもとより、アメリカやオーストラリアはこれにくわえて森林吸収源やCDMなど海外からのクレジット購入を加えた目標としております。
また他の主要排出国が相応の約束をした場合に削減幅を引き上げるとしている国もございます。これらは途上国の削減を支援することや主要排出国の参加の促進を念頭においていると思われますが、こうした点も十分考慮すべきでございまして、従って国内削減の真水をベースラインとして、他の手段でこれより追加的に削減する分を考慮する、目標を幅で示すことも有効であると考えております。
いずれにしましても、交渉は今後7月のG8サミットをはさみ、年末までかけて行われます。我が国の中期目標は国際社会に我が国の取り組み姿勢が評価されることを確保しつつ、交渉に際しての柔軟性を備えたものとすることが重要と考えます。万が一にも内外から一斉に批判を浴びるものではあってはならないと考えております。今日は本当にありがとうございました。
吉川たかもり経済産業副大臣
我が国はこれまで2050年までに世界全体での温室効果ガスの排出半減という長期目標を共有をいたしまして、米国や中国、インドなどの主要経済国が参加する公平で実効的な枠組の構築が必要であると主張してまいりました。
我が国の中期目標としましては、こうした枠組作りに貢献し、裏打ちのない宣言ではなく、経済面でも実行可能で、地球全体の温暖化対策に貢献するものであることが重要であると考えております。
今般、取りまとめました「未来開拓戦略」におきましても、低炭素社会の実現に向けまして太陽光発電の新たな買い取り制度の導入などの対策も盛り込んだところでございます。
他方、中期目標の実現におきましては、国民一人一人に相応の負担をお願いをせざるをえません。地域経済や中小企業への影響などもしっかり勘案する必要があると考えております。
環境を制約ではなくて、成長のばねにつなげるというという姿勢が基本とはいいましても、実現可能性のない目標を設定することとなれば、やはり経済への大きな制約、さらには経済成長を危うくし、海外からのクレジット購入による国富の流出を招き、技術開発の原資を奪いかねないと考えております。
我が国はこれまでもオイルショックという危機を官民連携の下で乗り切り、世界最高の省エネ国家としての地位を確立をして参りました。引き続き我が国が一丸となって、技術革新や一層の省エネ等、最大限の努力を行うとともに、我が国の誇る優れた技術、製品を広く海外へも普及させることで、世界全体での排出削減に貢献していかねばならないと考えておるところでもあります。
本日は委員の皆様からも貴重なご意見をいただきました。以上の点を再度強く認識させていただいたところでございまして、経済産業省といたしましても引き続き、関係諸官庁と連携をいたしまして、公平かつ実効的な枠組作りに向けた国際交渉や環境と経済の両立に資する取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上であります。
柴山まさひこ外務大臣政務官
ありがとうございました。私の方からは、国際交渉の動向、それと中期目標の選択肢、この2点についてふれさせていただきたいと思います。
まず国際交渉の動向についてですけれども、今年初めからの気候変動をめぐる国際情、国際交渉は、議長の交渉ペーパーが提出されております。6月1日からの第2回の交渉に向けて中期目標の公表を含め各国の立場が明確化してまいりまして、交渉はいよいよ名実ともに本格化しつつあります。
日本としては12月のコペンハーゲンでの締約国会議において、すべての主要経済国が責任ある形で参加する枠組が一つの法的文書の形で合意されることが必要であるという考え方の下に主要経済国の果たすべき義務を規定する新たな議定書の草案をこの4月に提示したところであります。こうした素案を提出したのは我が国だけであります。
公平かつ実効的な2013年以降の次期枠組み構築に向けて今後とも粘り強く交渉を我が国として行っていく所存であります。
そして並行して、アメリカ主導の主要経済国フォーラムMEFでは、主要経済諸国による協議が開始されて、ここでも先進諸国と、主要途上諸国の気候変動に対する取り組みが議論をされております。我が国としてはアメリカと協力しつつ7月のMEF首脳会議に向けた作業の進展に貢献したいと思っております。
そして中期目標の選択肢についてであります。多くの先進諸国がすでに今申し上げたとおり中期目標を発表してきている中で我が国の中期目標の数値は世界から注目されております。
先週訪日した、本年12月の締約国会議の主催国であるデンマークのヘデゴー気候エネルギー大臣も、日本が野心的な中期目標を発表することを期待すると言う旨述べておられました。
確かに中期目標はこの経済経済状況です、経済面でも実行可能で、各国の過去の努力や産業構造のちがい、削減コストなども考慮して、国際的公平性が確保されたものである必要があります。
しかし同時に我が国が引き続き国際交渉においてリーダーシップを発揮していくためには、我が国の中期目標は地球全体の温暖化対策に貢献するものであると共に、我が国の姿勢が後ろ向きとの印象を与えることのない数値である必要があると、外務省としては強く申し上げたいと思います。
さきほど、島サミットについてのご言及ありました。今回の参加国では水没の危機感が示されたところでもあります。温暖化の世界に与える影響を憂える声は、本当に大きくなっていると思っております。世界を考えた日本ということを踏まえての判断が必要であるということを申し上げまして、私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。
奥田座長
最後に総理から一言ご挨拶をいただきたいと思います。その前にカメラ入りますので少しお待ちください。
麻生首相
日曜日にも関わりませず、地球温暖化問題に対する懇談会にご参加をいただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
いろいろなご意見を多方面からじっくり聞かせていただいた時間でありまして、大変感謝を申し上げたいと存じます。
いろいろ資料に出ておりますとおり、中期目標の設定というものは、これは国民に取りましても負担を生じますんでその意味では国民生活全般に渡って大きな影響を与える、そう思っておりますのでパブリックコメントを取らせていただきましたり、また全国で高橋さんが参加されたと言っていましたが意見交換会、また世論調査などを通じてできるだけ多くの意見というものを幅広くいただきたいという努力をいたしたところです。
今日も産業界、NGOに限らず消費者団体また労働界などからさまざまな立場の方からそれぞれご意見をいただきましてまことにありがとうございました。
パブリックコメントに1万人を越える多くの声が寄せられたということは明らかに国民の意識として知っているという意識、85%を越えているという事実をみましても、われわれとしては大変関心が高い問題であるということに関しては、さきほど消費者団体を代表して話をしておられました。その通りだと思っておりまして、こういったもの意識が出てきたということだけでも昔とはえらい違いだと思って感謝をしております。
いずれにいたしましても、この対策を何をやるにしても負担を求めるということになります。したがって多くの方々にこの負担という問題と負担をしなかった場合の負担、両方考えないかん、というところが大事なんだというお話を真剣にいろいろ考えていただいたことに意を強くしたところです。
いずれにいたしましても、皆さんのご意見というものを参考にして私自身じっくり考えていきたいと思っております。
来月前半、半ばごろには、半ばごろでしょうか、日本の考え方というものなりをきちんとまとめて中期目標を私の方からしっかり発表させていただくいうことによって、それをもってサミットその後のCOP15につなげていきたいと考えております。
いずれにしても、長時間にわたっての本日のご参加いただいたことに改めて感謝をもうしあげて御礼に変えさせていただきます。
ありがとうございました。
---
by togura04
| 2009-06-03 09:29
| 国内方針